大判例

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浦和地方裁判所 昭和43年(ワ)498号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕五、被告矢作は、仮に売買の予約が本件和解契約の成立とともに黙示の合意により解除されなかつたとしても、浅賀は和解条項第二の(ロ)項所定の本件土地等の売買代金五〇〇万円を支払わないので、右和解契約を解除した旨主張する。よつて判断するに被告矢作が昭和三六年二月二日右代金五〇〇万円の支払を催告しさらに同月六日本件和解契約を解除する旨の意思表示をなしたことは、当事者間に争いがない。そこで原告らの再抗弁につき按ずるに、和解条項第二の(ロ)項には本件土地等の所有権移転登記手続と引換に、金五〇〇万円を支払う約定のあること、被告矢作が昭和三六年一月二〇日本件土地等を鈴木蓉子に売渡し、同月二三日所有権移転登記を経たことは当事者間に争いがなく、成立に争いない甲第四・第六号証証人浅賀愛康同相良有朋の各証言によれば、被告矢作は昭和三六年一〇二五日鈴木蓉子に対し初めて本件土地等の買戻しの希望を申し入れたが、結局被告矢作が資金を用意できなかつたため、買戻しの期間を半年延長することとし、その後昭和三九年九月に至るも被告矢作が買戻しをなさなかつたため鈴木蓉子は被告矢作に問い合わせたところ、被告矢作は同年一二月二五日までさらに右期間を延長してほしい旨申し入れたので、鈴木蓉子はこれを容れさらに買戻しの期間を延長したのであるが、右同年一二月二五日に至るも被告矢作は買戻しをなさなかつたことが認められ、右認定に反する丙第一第二号証は前掲各証拠と対比してたやすく措信し難く、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。右認定事実によれば、被告矢作が、本件土地等の所有権移転登記の抹消登記手続を準備していなかつたことは明らかであつて、被告矢作が債務の本旨に従つた履行の提供をしたものと解することはできない。したがつて被告矢作がなした本件和解契約解除の意思表示は効力を生じない。

(松沢二郎)

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